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ココア共和国

 

​月刊ココア共和国 (電子本&紙の本) について

☆​7月号☆ (2020.06.26)

月刊ココア共和国7月号表紙

 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。

 また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2020年12月31日に締め切られ「第1回いがらしみきお賞」「第1回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第6回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。

 詩の投稿はこちらより。→

 「月刊ココア共和国」 電子本の発売は各ネット書店より。275円(税込)。

 紙の本はココア・ショップまたはAmazonで販売しています。770円(税込)。

目次
●招待詩                           
倉田めば「小さな儀式」


●招待短歌                        
鈴木そよか「夏の破片」


●招待エッセイ《詩論・試論・私論》
宮尾節子「守られた場所」
幸原水菜 「言葉と感情」

●7月号投稿詩人のみなさんへ                    
秋吉久美子 
いがらしみきお
      
●投稿詩傑作集Ⅰ                           
三船 杏「退化論」
高城郁花「数学への詩」
吉岡幸一「ビスク・ドール」
104hero「バス停H」
青田夏山「食卓」
一期崎月子「数字」
輝輔「朝顔・歌劇・梅雨」
藤谷知史「炎」
幸原水菜「論点」
稲山晃輔 「少女の右眼」
山口波子「空想ラブソング」
たかいちめい「学校が休みになった」

●4コマ詩                        
いがらしみきお 「バランスボール」
クマガイコウキ
「やましいことがないか胸に手を当てて考えろ」
秋亜綺羅 「ノーサイド」
佐々木貴子「うつくしきかな」

●投稿詩傑作集Ⅱ                           
能美政通「かける」
片野翠子「そして感情の扉を」
藤田 聡「手」
金曽和子「六十歳になってみろ」
中田野絵美「かぜのようなひと」
あち「夏休み」
うざとなおこ「鳴る」
梁川梨里「足踏み」
麻生有里「もの言わぬ昨日」
氏家 忍「刻印」

●エッセイ                       
佐々木貴子「マスク、スクスク、ゴマカスク」
秋亜綺羅「行政とパチンコ店の果てるまでの戦い」
秋亜綺羅「ソイレント・グリーンの正論」

●投稿詩傑作集Ⅲ                     
岩佐 聡「失業保険」
丸山こと葉「わたしのあまい果実」
森田 直「帰宅列車」
田中里奈「遺言」
三波 並「わたしはかえる」
伊藤さほ 「月を食べる」
白神つや「悪意」
林やは「刃物の詩」

●詩                    
佐々木貴子「姥捨」
秋亜綺羅「わたしたちに明日はない」

以下は電子版のみに収録

●投稿詩佳作集Ⅰ
西原真奈美「見えない同心円」

丸山永司「君」
小林「墜落する夢」
横山勇気「とび、おきる」
室井初日「おねだり」
熊野コエ「夏のごみ」
素潜り旬「無言劇」
千田基嗣「ガラスの靴の灰かぶり」
岩崎淳志「顔」
田中傲岸「残像倒し」
a.kiko「君の世界に」
ノートミサ「だるまさんがころんだ」
田村全子「俊をさがして 20190617」
中マキノ「川面、束の間」
もちこ「雛菊は湿った手の中で涙を流す」
髙橋梨咲「絶対的存在」
Yuda222.「遠点と近点」
なすび「こんなわたしと、せかい」
ゐしもりみづゑ「♥」
鈴木秀博「ニンゲン以外」
夏目知佳「理由」
遠藤健人「つがい」
中原賢治「遠い糸」
シーレ布施「波の中で死ぬ」
竹之内稔「雨の日の恐竜たち」
文音「わたしは」
ふるだぬき「近くて遠い君」
惟村来帆「暑くて寒くてせまい部屋」
あい「I can't lean on…」
佐藤陽平「見えない椅子」
中島有城「見えるもの」
葵そら「空」
小川美月「記憶世界」
大野陽加里「ガラス玉」
吉原幸宏「出航」
矢城「グッドモーニング」
稲吉急便「衰えた星」
南川康太郎「フレンチな錯綜妄想記」
山本コッペ「独りよがりと世界と」
市橋のん「ソラ」
雨後晴太郎「転生ダンス」
ヱ昊稀「浮世の網」
かとうみき「県境にて」

●エッセイ                        
佐々木貴子「書く書く詩か自か」

●投稿詩佳作集Ⅱ                           
増田陽穂「自転車」
イリオモテイリオ「平熱」
村岡哲洋「今 統べられて」
みたこ「かくれんぼ」
滝本政博「Summertime」
朝光紫穂「マイ・レスキュー」
實苫 潤「影ぼうし」
青海玻瑠鯉「詩と革命と熱」
可織てん。「春よコイ」
あさとよしや「karma」
佐野 豊「いとおかし」
戸田和樹「消えた教室」
渋谷縷々子「白昼夢」
田中千佳子「東京にいる」
今井 悠「心象(零)」
幻ノ月音「雨宿り」
才木イチロウ「満員電車」
末国正志「抱きしめる」
市井蒸発「牛乳」
向坂くじら「水べ」
故永しほる「あるわたしたち」
はるのかまぼこ「グミキャンディ」
ミナト螢「田園」
夏生「瞑想」
sion「天使ごっこ」
浅野慈子「新しい街」
三上点呼「絶唱」
菅 弥生「ビロード色に電波が裂ける」
テル「このくらいのことなら無責任に好きと言いたい」
真土もく「砂漠」
伊藤暁里「周回遅れ、クビ差」
ごとうつぐみ「ひる・またはコースターの」
ユニバース「涙の雨上がり」
おゆみ「あの世に行けなかった僕」
ストロベリーおおくぼ「断片」
蘇武家人「こないこない」
村松芳信「おもい」
霧「僕と君」
阿部吉友「海が好きです」
サトウアツコ「けやき」

●エッセイ                        
秋亜綺羅「どくりんごジュース」

●投稿詩佳作集Ⅲ                           
黒崎晴臣「桜桃」
伊丹 真「A .M」
齊藤 進「寂しい 29年3月」
松本侑子「ハイイロ」
前原徹也「声のシナプス」
檸檬「麗しのブループリント」
雪柳あうこ「水瓶」
まんちぇ「希望と絶望に挟まれた人間へ」
新里 輪「砂漠に芽吹く」
東ノ緑夢「糸杉」
海星亜歩「さくら猫」
野村嶺花「 あなたと一緒に見る景色はいつも違って見える」
西村幸一「神戸港第六突堤」
ふじのきのみ「新しいヤカン」
横田まこ「日常」
佐藤小雪「椿ほろほろ」
中川達矢「ことほぎ」
星堕位置「はじまり」
渡辺八畳「髪の毛の上で黄昏る」
弘津遥菜「夢のお話」
清水いつき「目的地」
松本涼花「道しるべ」
檻いずみ「すずらん 2」
amanaki「シーズンズ・クライ」
梅沢由美「雷」
マフユフミ「陽の照る野原に雨は降る」
山羊アキミチ「そこにある」
山月 恍「した」
上下「白けっけ」
マドカキヨノリ「テイクオフ」
髙橋杜子美「サヤエンドウ」
楠 青子「だからわたしは優しくない」
天戸果実「春歌(2020)」
桑田 窓「メトロポリス」
もーたん「いろって色々考えています。」
柿本慧こ
 「決意という名の再決戦~ふたたび歩く道~」
関まりこ「あいのうた」
やぎひろまさ「生きづらさウイルス」
木崎善夫「一億総日時計化計画」

編集前記   

 創刊第4号です。

 新型コロナへの、世界の国家の対応がもたらすもの。それは新しい生活様式による価値観の変化なんかじゃなくて、とんでもないほどの経済格差だと、わたしは思います。国家単位のお金の使い方が、どこか違和を覚えるのです。

 さて、月刊「ココア共和国」には毎月、とても多くの投稿をいただいています。詩集こそ出していないけれど、ブログやSNSで活躍している詩人たちの才能が、現在進行形で集まっています。

 詩と無関係と思っている方たちも、ぜひ読んでみてください。言葉のすさまじさと、楽しさを感じてもらえる自信があります。

 家の台所には包丁があります。包丁で人を殺すことはできます。食卓には1輪の花が挿されていたりします。食べるのが目的ではありません。「ココア共和国」もそれと同じで、食卓の上やバッグの中で、あなたのそばに置いてやってほしいのです。

 今号から《詩論・試論・私論》という新シリーズがはじまりました。詩やことばに向かう姿勢を、率直に書いてもらおうというものです。すでに詩壇で活躍している詩人と、ココアへの投稿詩人にお一人ずつ、毎月原稿をいただく予定です。第1回は宮尾節子と幸原水菜にお願いしました。

 今回の詩のゲストは、倉田めば。倉田は詩の道具を言葉だけでなく、パフォーマンスに求めている詩人です。詩を事件にしてしまおうというわけです。

 短歌はもうおなじみの、鈴木そよか。

 4コマ詩はいがらしみきお、クマガイコウキ。

 また今号も、投稿詩への短い感想を、秋吉久美子といがらしみきおよりもらっています。

 今月もみんなで詩を楽しみましょう。

(秋亜綺羅)

編集後記

 7月号の「ココア共和国」、いかがでしたか。今号も、現代詩がお行儀のよさだけでは終わらないことを実証したかのような1冊に仕上がりました。実に読み応えのある7月号。投稿作品にはこれまでにない思考、実験的な試みが増え、ますます、こころ揺さぶられることになりました。

 毎日、全国のみなさんからココア共和国編集室にたくさんの投稿作品をいただき、感激しています。

 既に気がつかれた方も多いのだと思いますが、前号より投稿詩の左下に投稿者居住地を小さく掲載することにしました。さらにティーンエージャーの投稿作品には目印をつけています。創刊4号目にもなると編集の過程で自ずと投稿者氏名、作品タイトルや居住地も覚えてしまうようです。たとえば毎月いただいている投稿者の作品に、微細な変化を感じるようになりました。言葉の熱気であったり、体温に近いものも伝わるようになりました。居住地掲載はその意味で、投稿者の言葉がよりいっそう新鮮なまま届くことを期待したものです。読者に届くであろう詩の言葉の射程距離を広げ、リアルに生きる投稿者の今を意識した編集側の意向です。

 今号は電子版に152人の投稿作品を掲載しました。たくさんの投稿の中から、ほんの一部のみの掲載となり、ごめんなさい。投稿詩傑作集として30篇、そして投稿詩佳作集には122篇の詩を掲載しました。7月号は秋吉久美子、いがらしみきお、齋藤貢、クマガイコウキから「絶賛」「いいね!」を特に多くいただくこととなりました。少しだけですが、投稿詩の中から気になった作品の幾つかをご紹介したいと思います。三船杏「退化論」には丸ごと驚かされました。雨が降る中、思考は伸びやかに詩行をマクロからミクロへと展開します。「私は私に擬態している!」。なんと魅力的な詩行でしょう。感動しました。高城郁花「数学への詩」、特に2連目の語りかけが特に秀逸と感じました。今後「数学」を思う時、必ずこの詩の息遣いが頭をよぎることでしょう。吉岡幸一「ビスク・ドール」は情景描写に徹することによって「こと」的変化を読ませます。毎回、すばらしい作品、ありがとうございます。104hero「バス停H」の1行目から魅了されました。言葉で読ませる四重奏。青田夏山「食卓」、最終行の余韻がたまりません。わたしたち、死んだものと生きたものが通過する不完全な死体なのです。輝輔「朝顔・歌劇・梅雨」は仮名、漢字、読点、余白を巧みに用いながら詩の極みを魅せる筆力。思わず唸りました。今後も読ませてください。藤谷知史「炎」、面白く読みました。「例えば」からおもむろに始まる齟齬。やがて音へ展開する不思議がいいですね。あち「夏休み」、空っぽなのに満たされていた日々が、夏の表面張力、終わらない抒情として描かれています。麻生有里「もの言わぬ昨日」、風とは「何の行いだろう」という問いによって、通り過ぎる風を呼び止めました。微風、微熱を感じさせる作品です。白神つや「悪意」、冒頭7行目の強度が作品全体に緊張感を与えています。この視点を反芻しながら善意についても考えたいと思いました。熊野コエ「夏のごみ」に漂う愛おしさ。色彩豊かな作品にも読めますが、カラーで読むか、モノクロで読むか。二重に楽しむことができますね。もちこ「雛菊は湿った手の中で涙を流す」に貫かれた抒情。映像も見せますが、映像以上のことを言葉で描いた完成度の高い詩です。タイトルを4連目の詩行から用いる点においても巧みさを感じました。さらにおススメしたい作品は幸原水菜「論点」、稲山晃輔「少女の右眼」、山口波子「空想ラブソング」、片野翠子「そして感情の扉を」、中田野絵美「かぜのようなひと」、うざとなおこ「鳴る」、梁川梨里「足踏み」、氏家忍「刻印」、田中里奈「遺言」、森田直「帰宅列車」、林やは「刃物の詩」、小林「堕落する夢」、夏目知佳「理由」、中原賢治「遠い糸」、シーレ布施「波の中で死ぬ」、竹之内稔「雨の日の恐竜たち」、佐藤陽平「見えない椅子」、渋谷縷々子「白昼夢」、伊丹真「A.M」。その他、優れた詩がたくさんあります。ぜひ、7月号からお気に入りの詩を見つけてください。

 ココア共和国編集室一同、毎月の投稿を楽しみにしてお待ちしています。

(佐々木貴子)

執筆者

☆秋亜綺羅(あき・あきら)
詩人。1951年生。宮城県在住。
詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、
『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)など。
エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜美術社出版販売・2017)。
丸山豊記念現代詩賞。

☆秋吉久美子(あきよし・くみこ)
俳優、歌手、詩人。1954年生。
『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。
アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。
詩集に『いない いない ばあ』など。

☆いがらしみきお
漫画家。1955年生。宮城県在住。
『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』
『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。
日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。

☆クマガイコウキ
映像作家・劇作家。1961年生。宮城県在住。
映画『ぼのぼの/クモモの木のこと』監督・脚本。
児童劇団AZ9 ジュニアアクターズ座付作家。
長編紙芝居『蛇蝎姫と慚愧丸』脚本、演劇『タルタロスの足湯』脚本など多数。

 

☆倉田めば(くらた・めば)
詩人。パフォーマンス・アーティスト、写真家。
1954年生。大阪府在住。2010年より毎年、
霜田誠二主催の「日本国際パフォーマンス・フェスティバル」に参加。
2015年写真展「手を伸ばした視線」(大阪)。


☆佐々木貴子(ささき・たかこ)
詩人。1970年生。宮城県在住。
2012年「詩とファンタジー」大賞。第26回詩と思想詩人賞。
第7回びーぐるの新人。
詩集『嘘の天ぷら』(土曜日術者出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。「ココア共和国」編集。

 

☆幸原水菜(さちはら・みずな)
2004年生。神奈川県在住。高校生。
第7回大谷大学文藝コンテスト 奨励賞。
第1回小学館ジュニア文庫U-17賞 特別賞。​


☆鈴木そよか(すずき・そよか)
歌人。2001年生。宮城県在住。大学1年。
第16回宮城県高等学校文芸作品コンクール短歌部門最優秀賞。
第11回角川全国短歌大賞特選 佐々木幸綱選。

☆宮尾節子(みやお・せつこ)
詩人。埼玉県在住。
詩集に『恋文病』『明日戦争がはじまる』『女に聞け』など多数。
第10回ラ・メール賞。

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