ココア共和国

 

​月刊ココア共和国 (電子本&紙の本) について

☆​9月号☆ (2020.08.28)

月刊ココア共和国9月号

目次                    

●招待詩    
四方田犬彦 「時節」


●招待短歌    
鈴木そよか「エンドロール」


●招待エッセイ《詩論・試論・私論》    
平川綾真智「日曜早朝のテイクアウト温泉卵」
林 やは「わたし、誕生」


●9月号投稿詩人のみなさんへ    
秋吉久美子    
いがらしみきお

    
●投稿詩傑作集Ⅰ    
西川真周「おかんに服買ってもらう」
三船 杏「K」
真水翅「夏の影」
幸原水菜「夏と虫と悲鳴」
林 やは「ルア・ルーナ」
野々原蝶子「ギロチンの詩」
山口波子「連なる今日」
山月 恍「朝の音」
コンノダイチ「テロリズム」
星屑ちゃん「コロナ 渦 の人魚姫」


●4コマ詩    
いがらしみきお「楽しみは少なく」
クマガイコウキ「そのマスクは粗悪だ」
秋亜綺羅「立っていた」
佐々木貴子「そうでしょ?」


●投稿詩傑作集Ⅱ    
みにゃあゆな「からろいど」
長野小夢「龍の親」
故永しほる「椿の花」
天地有仮「善悪のお刺身」
向坂くじら「目撃」
高平 九「新しい神様」
羽田光伶「ほしいもの」
三白都日「午後3時」
kiki「優しい人は、破裂する。」
惟村来帆「黒すぐり」


●エッセイ    
佐々木貴子「自由になりたくないかい!」
秋亜綺羅「行っちまえキャンペーンの行方」
秋亜綺羅「2070年の詩」


●投稿詩傑作集Ⅲ    
岩佐 聡「犬棄て」
松本侑子「サクラ」
黒崎晴臣「朝」
104hero「亀の甲羅に流れ星」
ストロベリーおおくぼ「排便主義」
浦野恵多「歌声」
檻いずみ「穴 Ⅱ」
キミー・オニヅカ「鏡の中の私」
山﨑夏実「雨に降られたい」
まきいさお「ふたり」
三波 並「うまれる、かわる」


●詩    
佐々木貴子「愛玩」
秋亜綺羅「詩」

 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。

 また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2020年12月31日に締め切られ「第1回いがらしみきお賞」「第1回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第6回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。

 詩の投稿はこちらより。→

 「月刊ココア共和国」 電子本の発売は各ネット書店より。275円(税込)。

 紙の本はココア・ショップまたはAmazonで販売しています。770円(税込)。

​紙の本はこちらから

編集前記   

 おはようございます。創刊第6号となりました。

 日本では1年間に600冊ほどの個人詩集が出版されています。わたしも以前ですが、月刊「現代詩手帖」の「詩集評」を担当していたことがありました。1年間で600冊、1字1句逃さず読ませてもらいました。すると、どうもつまらないなぁと思う詩集にも、光る言葉、輝く1行は必ず見つかるのでした。

 月刊「ココア共和国」への投稿作品はとんでもなく多数になりましたが、1字1字必ず全部読ませてもらっています。誌面に載った作品も載らなかった作品も、少なくとも秋吉久美子、いがらしみきお、齋藤貢、クマガイコウキ、佐々木貴子、秋亜綺羅の6名の読者は間違いなく存在します。

 ココアの詩人たちはブログやSNSや同人誌で活躍していて、詩集を出していない人が多いと思います。ひとりでこっそり日記のように書いている人も多いと思います。詩集を出した人がプロの詩人であると必ずしも言えないでしょうけれど、ココアの投稿詩人たちはプロの詩人たちに絶対に負けていないことを、自信を持ってわたしは言えます。

ココアの投稿詩は、手がつけられないほど? 面白くて、弾けそうな想像力に溢れてきました。

 でも残念ですが、全部を載せるほどは誌面がありません。「毎回投稿してるのに、掲載されたことがない。作品は届いていますか」という問いも少なくないのですが、ほんとうにごめんなさい。「傑作集」「佳作集」にはほんの一部しか選ぶことができません。「秋吉久美子賞」「いがらしみきお賞」「YS賞」への応募作としては、非掲載でもまったく平等に選考対象となります。

 月刊「ココア共和国」は、詩を1段組で編集しています。2段組、3段組にすれば、2倍、3倍の作品を収めることができますが、詩は1段組だから詩なのです。行換え詩はとくにそうです。詩人が言葉の行を換えるということは、覚悟と勇気が必要なことです。その下には、無限の底まで空白が続くからです。1行の下は、言葉のない無限(詩)です。

 さて、今月の詩のゲストは、四方田犬彦。数えきれないほどの著書があり、批評家、文学研究者、詩人として、知らない人はいないと思います。言葉でというより、詩で考えていく醍醐味を味わってください。

 巻頭歌と連載の連作10首は、もうすっかりおなじみ、ハイティーン歌人・鈴木そよかです。1首の1行の中で、経過する時間と動く心が、とても痛くて深いです。

 3回目になった《詩論・試論・私論》。今回は、鋭利な言語論、詩論を持つ詩人・平川綾真智と、ココア代表の林やはにお願いしました。平川綾真智は九州を拠点に、全国を対象にした詩のイベントなどを手掛けているので、知っている人も多いかと思います。林やはは、わたしはココアで初めて知りましたが、発想が思いがけない場所に飛ぶ、魅力的な詩人です。

 4コマ詩はいがらしみきお、クマガイコウキ。佐々木貴子と秋亜綺羅も参加して、面白半分で始めたのですが、まだ続いていますね。面白全部になるまで頑張りますよ。

 今号も、投稿詩への短い感想を、秋吉久美子といがらしみきおよりもらっています。齋藤貢、クマガイコウキからも「いいね」や「絶賛」を!

 佐々木貴子と秋亜綺羅も、4コマ詩のほか、エッセイ、詩作品で参加しています。

 月刊 「ココア共和国」。詩なんて無関係と思っている方たちも、ぜひ読んでみてください。言葉のすさまじさと、楽しさを感じてもらえると思います。

 今月もみんなで詩を楽しみましょう。

 (秋亜綺羅)

以下は電子版のみに収録

●投稿詩佳作集Ⅰ  
後閑宏明「なんでよ」
熱帯魚屋「ゆりかご」
田中千佳子「歯医者さんとシャラシャラの木」
月森千花子「心の家出」
元澤一樹「Today」
みやおふゆみ「壁」
鈴木楽都「黄昏時」
中原賢治「あなたは砂」
射越沙梨「変わり者め!」
再兎兎玄「コイントス」
雨後晴太郎「折り紙の詩」
尾上純玲「ビターチョコレート」
伊渓路加「だだ!」
市井蒸発「ココア」
鈴木明日歌「ゴミを集めて」
高城郁花「夢という果実があったなら」
佐倉 潮「五分前」
能美政通「宇宙は自由におもちください」
片野翠子「ワンピースから浴衣まで」
のざきやすひろ「ひみこの詩」
竹之内稔「モブキャラな時間」
吉原幸宏「Mr.Joker」
みたこ「わたしの中」
田中里奈「夢見る少女」
神戸陽太「ふり」
井上美帆「堂々」
藤田 聡「距離感」
輝輔「歴史がとまるとこ」
西原真奈美「トルソのように」
あさゆう「路地裏」
三上点呼「ロックンロール・スペクトラム」
熊野コエ「綺麗なものしか見たくなかった3」
Yuda.222「水頭」
イナヤミユウ「わかりきっていること」
テル「とろとろな発想」
中村明日香「Mr.Jelly fish」
tOiLeT「なぞなぞ」
もちこ「ゆらゆらしている」
氏家 忍「標」
枝瀬 優「love」
璞「Home Sweet Home」


●エッセイ    
佐々木貴子「ざざぎだがご」


●投稿詩佳作集Ⅱ    
露野うた「女の子の日」
小川芙由「気化熱の紫陽花」
sion「白紙の詩」
玉利「どろどろ、くるめく、きみの、殺」
内海拓郎「角砂糖とハイボール」
麻生有里「放流」
真土もく「今日も仏滅」
上下「赤い腹」
竹田三州穂「カタチ」
夏生「地面を舐めた」
はるのかまぼこ「きみの広場」
吉岡幸一「パラダイス」
れもりあっと「出逢い」
小野みふ「ソーダバー」
佐藤小雪「デッサン布人形サニーちゃん」
ごとうつぐみ「四角いルーレット」
丘白月「黄昏の校舎」
丸山永司「猫」
可織てん。「青い時間」
田村きみたか「合図」
今井 悠「ヴィ・ラン=メビュース」
齊藤 進「独り芝居」
入谷「シンカイ」
夜空 狐「空話」
菅 弥生「ゴロゴロす」
かとうみき「ざくざく」
星堕位置「サンライズ」
増田陽穂「おそろしい贅沢」
おゆみ「無数の……」
うざとなおこ「美しい記憶」
たなかひろし「きゅうふ」
入透「orange」
トンツクぺ「Instagram」
シバフネコ「サバイバーズ」
山本涼香「魔法」
a.kiko「歌えない僕は」
浅野慈子「星祭り」
稲吉急便「ロジスティックG群論」
髙橋杜子美「ひかりのほうへ」
渡辺幸一郎「見おろしてみると」
スノードロップ「矢印」
朝光紫穂「気泡人形」
伊丹 真「シンクは綺麗でなければならない」


●エッセイ    
秋亜綺羅「寺山さんはココア共和国を読んでくれていましたよ」


●投稿詩佳作集Ⅲ    
淀川彩花「午後五時三五分」
新美「問題・」
中川達矢「いけない」
遠藤健人「コモンセンス」
たかいちめい「ひいばあちゃんの海」
しかすけ「私と海」
山下英治「無駄を生きる人生」
シーレ布施「いきたこと」
新里 輪「涙さえ」
雪下まほろ「SCHWARZ」
雪柳あうこ「緑のカーテン」
霧「知らないまま」
ユニバース「悪魔の蜘蛛よ 哀れなり」
素潜り旬「ピンクフラミンゴ」
千田基嗣「雨」
ゐしもりみづゑ「四月に戦いだ、」
渡辺八畳「伝える」
amanaki「骨さえ埋まればわからない」
市橋のん「自粛」
ヱ昊稀「私に触れないで」
マドカキヨノリ「うたうたいと、」
阿部昌彦「お面の中で」
戸田史人「質問と答え」
中田野絵美「運河」
三宅すずこ「なつ」
木崎善夫「馬の骨」
海星亜歩「手術術式尿管鏡検査」
井上琉世「虚無の大海にて」
早乙女ボブ「あの部屋」
幻ノ月音「つかみそこなった風船
谷岡 晴「夕空」
河津 駿「嘘つき」
佐藤てお「佇み」
Resu「ウォッチ」
長谷川航「虚構な僕ら」
谷田江湖「おばあちゃんち」
花島 裕「ねこ」
松本末広「さえずる果実」
滝本政博「賛歌」
白神つや「ヒラツメガニ」
平松秀章「もう さよなら」
木下未菜「弱虫な僕」


●募集    
第1回秋吉久美子賞    
第1回いがらしみきお賞    
第6回YS賞    
詩の投稿募集規程    

編集後記

 

 夏真っ盛りとなりました。梅雨時の投稿は、雨に関する詩が多く寄せられたものですが、9月号は夏に相応しく、いっそう熱気ある作品を収めることができました。おススメの一冊になりました。

 これまで何度か「ココア共和国」を鞄に忍ばせ、どこに行くにも連れて行ってあげて欲しい旨、お伝えしました。実際、わたし自身も、普段から複数冊の本を鞄に入れ、いつでもどこでも読むことができるよう、持ち歩いています。確かに鞄は重いのですが、お気に入りの詩集であったり、気になる論考であったり、今、自分にとって必要と思われる本と少しでも長く、いつでも近くにいたい。そのような思いから、「ココア共和国」も、わたしの鞄に入り、どんな時でも行動を共にしています。ぜひ、あなたの日常に詩を寄り添わせてあげてくださいね。

 さて9月号ですが、今号も全部が採れたての、日本の詩の現在形と思って味わって欲しいです。今回は投稿詩傑作集として31篇の詩作品を掲載しました。さらに投稿詩佳作集には126篇の詩を掲載することにしました。9月号は157篇の投稿詩を掲載したことになります。投稿いただいた中の、ほんの一部となり、ごめんなさい。正直、読み応えについては、保証したいくらいです。それでは、投稿作品の中から、特に気になった作品をご紹介しましょう。西川真周「おかんに服買ってもらう」の疾走感、ぜひ、味わってください。冒頭1行目とタイトルとが同じであったり、必ずしも計算づくとは思えないのですが、そう思わせるのも技量のひとつなのでしょう。説明的でない話者の登場によって、畳みかけつつ繰り広げ、最後は十分な余韻を残す。このような作品がココアで読めるなんて感激です。一方、三船杏「K」には、新たな詩の姿を感じました。1篇の詩の中にこれほどまでにロジックを凝縮し、無い世界を言葉で立ち上げ、読ませてくれるとは。誰からの模倣をも拒絶できる筆力と思いました。前作、前々作も素晴らしく、完全なファンになりました。真水翅「夏の影」に見られる何とも抜けきった感のある哀しみ。方言でコーティングされたかのようですが、そうではない。詩の完成度を高めています。幸原水菜「夏と虫の悲鳴」では虚しさと焦燥の混在する夏の夜が、地球規模で捉え返されています。コンクリート、と連呼する時、何故か身体の中に埋め込まれたコンクリートが目覚める思いがしました。コンノダイチ「テロリズム」、面白いですね。完成度の高さに驚きました。横並びの漢字と平仮名によって、世界の成り立ちを多様に読ませます。104hero「亀の甲羅に流れ星」は語感よく二行で展開します。毎回の視点に翳りがなく、お洒落な地図を読む感覚です。浦野恵多「歌声」の最終連、「みんな一緒に/ひとりきり」に象徴される浮遊感。読ませますね。まきいさお「ふたり」はペンネームも平仮名なので、ずっと、おんぶバッタだということなのでしょう。鈴木明日香「ゴミを集めて」は、3連に渡って「ごみでしかない」と語りながらも、詩で小宇宙を描き、哲学しています。さらに、林やは「ルア・ルーナ」、檻いずみ「穴Ⅱ」、山口波子「連なる今日」、野々原蝶子「ギロチンの詩」、故永しほる「椿の花」、山月恍「朝の音」、惟村来帆「黒すぐり」、黒崎晴臣「朝」、鈴木楽都「黄昏時」。それぞれ、繰り返し読みました。紙面の関係上、一部のみの紹介ですが、9月号は特におススメしたい作品の詰め合わせになったと思っています。これって素敵なことで、スゴイことですよね。

 いよいよココアにも小学生、中学生が登場しています。決して年齢だけに注目しているのではありません。しかしティーンエージャーの大胆な試みには圧倒されます。年齢を問わず、誰もが可能性の実現のための舞台として、ココア共和国を選んでいる。とても貴重なことだと受け止めています。

 毎月の投稿、期待しています。

(佐々木貴子)

執筆者

☆秋亜綺羅(あき・あきら)
詩人。1951年生。宮城県在住。
詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、
『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)など。
エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜美術社出版販売・2017)。
丸山豊記念現代詩賞。

☆秋吉久美子(あきよし・くみこ)
俳優、歌手、詩人。1954年生。
『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。
アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。
詩集に『いない いない ばあ』など。

☆いがらしみきお
漫画家。1955年生。宮城県在住。
『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』
『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。
日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。


☆クマガイコウキ
映像作家・劇作家。1961年生。宮城県在住。
映画『ぼのぼの/クモモの木のこと』監督・脚本。
児童劇団AZ9 ジュニアアクターズ座付作家。
長編紙芝居『蛇蝎姫と慚愧丸』脚本、演劇『タルタロスの足湯』脚本など多数。


☆佐々木貴子(ささき・たかこ)
詩人。1970年生。宮城県在住。
2012年「詩とファンタジー」大賞。第26回詩と思想詩人賞。
第7回びーぐるの新人。
詩集『嘘の天ぷら』(土曜日術者出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。「ココア共和国」編集。


☆鈴木そよか(すずき・そよか)
歌人。2001年生。宮城県在住。大学1年。
第16回宮城県高等学校文芸作品コンクール短歌部門最優秀賞。
第11回角川全国短歌大賞特選 佐々木幸綱選。

☆林やは(はやし・やは)

1999年生。愛知県在住。

☆平川綾真智(ひらかわ・あやまち)
詩人。1979年生。鹿児島県在住。
詩集に『市内二丁目のアパートで』(詩学社・2002)、
『202.』(土曜美術社出版販売・2009)。
「日本現代詩人会」webスタッフ。「熊本文学隊」隊員。

☆四方田犬彦(よもた・いぬひこ)
映画研究家、詩人。1953年生。東京都在住。
詩集に『人生の乞食』(書肆山田・2007年)、訳詩集にマフムード・ダルウィーシュ『壁に描く』(書肆山田・2006年)、『パゾリ-ニ詩集』(みすず書房・2011年)など多数。日本エッセイスト・クラブ賞、桑原武夫学芸賞など。

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