月刊ココア共和国 (電子本&紙の本) について☆9月号☆ (2025.09.01)
- akihashishokobo
- 2 日前
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あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。
「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2025年12月31日に締め切られる「第6回いがらしみきお賞」「第6回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第11回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。
紙の本は770円(税込)。ココア・ショップまたはAmazonで販売しています。
4月号は3賞受賞特集号となり990円(税込)。
目次
●今月の1行
木盾楯
●詩
秋亜綺羅 「こわれて消えた」
●小詩集
森崎 葵 「空港・夜」
●招待エッセイ
恵矢「自分の人生にタイマンを張る」
●9月号投稿詩人の皆さんへ
秋吉久美子
いがらしみきお
●傑作集Ⅰ
むきむきあかちゃん 「モッカポッカについて」
富士花るな 「いぬとおやつの人生」
桃口 優 「エラー」
みたこ 「よく晴れた朝」
落合蘭人 「簡潔明瞭、簡単解決、完結完了」
ツチヤタカユキ 「13月32日」
近藤太一 「代わりに言っておきました展」
池田玲亜 「きおく」
中村ミロ 「その蝉」
川嶋ゆーじ 「六畳一間の蝉」
竹村ヒカル 「こたえ」
池堂翔太 「みんなの餌となれ」
西川真周 「あなたにもできる簡単なアシカ撲殺入門講座」
ピオの父ちゃん 「東関東浄化所第五分室」
葛原 兄 「ノーベル賞」
木崎善夫 「カテイの医学(3)」
七寒六温 「愛についての詩」
●4コマ詩
いがらしみきお 「でんしょばと」
トウソクジン 「犬も歩けば棒に当たる」
てづかみさこ 「四コマ詩」
再生 「過失致死」
●傑作集Ⅱ
吉岡幸一 「ガラスの身体」
笠原メイ 「砂時計の中のピザ屋」
あさとよしや 「実況詩篇」
きむさん 「手紙」
工能エマ 「私だけの有名人たちに花束を」
空蝉 「誰もいない森の中で倒れた木は音を立てるか?」
神宮蓮美 「ホウカイノオト?」
三刀月ユキ 「アンブレラ・サマー」
繭中舞百合 「美容師」
森林みどり 「みさきちゃん」
渋谷縷々子 「覚えていたこと」
妻咲邦香 「戦争を知っている」
オオサキヒロヒト 「夜猟」
伊藤テル 「ツッコミ詩【誰のため】」
一森キティ 「国道30号線」
●リレーエッセイ
むきむきあかちゃん 「うまれてはじめてであったいろ」
●4コマ詩
まほろばしじみ 「RPG①」
虹乃ノラン 「カルブンクルス」
瀧 音吉 「八代集高頻出句疑似対称(右隻)」
佐々木貴子 「嘘」
●傑作集Ⅲ
逃避行 「日記(夏至)」
神浦恵里香 「庭恋ふ」
たけしたゆみ 「雨」
夕空しづく 「MUSIC」
まだらめ三保 「いないねこ」
木盾楯 「お揃い」
滝本政博 「デスベッドバージョン」
柊 「帰り道」
紺野 真 「飼い犬のひとりごと」
桑島明大 「名前」
青星百恵 「パーフェクト・サマー・バケーション」
宮せつ湖 「沼交番110番」
でおひでお 「一〇〇番」
能美政通 「的中」
さとうまなみ 「昆布売り」
●投稿詩からの想い
秋亜綺羅
▼以下は電子版のみに収録 ❤
●佳作集Ⅰ
麦原アリノス 「夏が煽動する」
チナ・スズキ 「ベルギー」
秋月光輝 「煙草の詩」
菊池静緒 「椅子田日記抄5」
小宮正人 「予想外未来」
風 守 「地球人のトリセツ」
松本 徹 「宇宙時間」
高平 九 「僕は探偵」
中島悠惺 「沸騰」
岩佐 聡 「青鷺についての観察ノート」
岩下真理華 「欠陥品」
トチチ 「出しきりましょう」
松井 「悪魔を吐いた」
山下重人 「絵日記」
道下 宥 「誕生日」
角 朋美 「つつかれて噛まれて」
冬至乃明 「つま先」
菅沼亜由美 「手遅れ」
スナシ 「ゆるきゃらてんせい」
たばたま 「初耳」
太田ユミ子 「母に逢う」
田村全子 「おまじない」
佐倉 潮 「DOOM Ⅴ」
山下山彦 「牛からあなたへ」
小沢浩太郎 「講釈師馬場文耕」
山根もなか 「風の落としもの」
朝紀革命 「モダン・タイムス」
●書評
佐々木貴子 「梁川梨里 詩集『蝶番』を読む②」
●佳作集Ⅱ
八巻孝之 「境界の風に抱かれて」
搗本はじめ 「雪の声 月のあと」
赤えんぴつ 「言葉と私」
とりいじじ 「僕は ビー玉(3)」
ルキア 「花びらの肉体」
菅原 響 「孤独者が集まって形成される社会に捧ぐ牧歌」
街口ねず 「猛獣」
百舌鳥高明 「どっちも」
小笠原啓太 「祖父のアルバム」
槇本大将 「ボクとサル」
林 やは 「砕ける」
刻風来音 「落とし物」
花野ひろ美 「叫び」
百野虎子 「夜空の星」
norik@_K 「透過色のレシピ」
積木つきみ 「私の私の遠い場所」
羊 「犬のおまわりさん」
坂本盟美 「あしたあの子は嫁に行く」
トウソクジン 「イマジナリーネコ」
羽毛畑 「「飴色」のクオリア」
松原紫穂 「もう そこまで」
風街ルパン 「チョココロネ・フィロソフィー」
きすげレコード 「レシート地獄」
石井理俐彩 「虫と人間」
淡雪うらら 「潔癖」
池戸則子 「ポロポロ」
●エッセイ
秋亜綺羅 「日本国民にノーベル平和賞?」
●佳作集Ⅲ
星野かえ 「放課後」
なかむらかほ 「強力瞬間接着剤」
加藤水玉 「銀色の鱗」
加藤万結子 「病院の夜」
大山いづみ 「なにしてたんやろ」
足元いいよ 「家出半刻」
七瀬いかり 「月と蟻」
髙橋奈々美 「繰り返しても好き」
千花音 「幸福の箱」
神崎 翔 「降りつもった雪」
蝸牛 「蓮池」
藤沢 恵 「名を知らぬ罪」
田村きみたか 「お帰り 神さま」
杉本 順 「吊り革なおし職人」
水木なぎ 「つめの形」
夢野蝶 「恋だった」
塚本 愛 「軽やかなわたしたち」
彩結ゆあ 「花を摘もう」
工藤哲椰 「役に立つものは身を隠す」
星 「金曜日の午後十一時、天気は晴れ」
文雨伽奈 「追憶」
揺籃 歌 「そんなことないよって言ってくれ!」
山本葉月 「薔薇」
雲野くじら 「おう」
對馬知弥 「カモメの背中」
ルビー・ミッドナイト 「ねえ、きみ」
●秋亜綺羅写真館
●編集後記
佐々木貴子
●募集
第6回秋吉久美子賞
第6回いがらしみきお賞
第11回YS賞
詩の投稿募集規程
年間購読のお願い
<編集後記>
皆様、お元気でいらっしゃいますか。連日の暑さには悲鳴が出そうですね。それに加えて、わたくしめ、暑さ以上にアイデンティティも悲鳴をあげそうなのでした。これまでエッセイ等で「生き別れの父」について述べてきたわけですが、それが5月に行われた「谷川俊太郎さんお別れの会」のライブ中継をココア共和国編集室のパソコンで見ている、まさにその時! 物事が動き始めました。谷川氏のご令嬢が「父が生前……」とマイクに向かって話し始めた瞬間、なんと、父からわたしのスマホに着信が! え? と驚きながら電話に出ると「貴子! お父さんはもう死ぬ!」と、父が泣きながら宣言するではありませんか。父から事情を聴き、「これから、お父さんのところに行く」となだめ、父の住む盛岡行きの新幹線の時刻表を調べていると、父が急に部屋が汚いから、と遠慮。しかし父上のSOSを看過するわたしではありませぬ。というわけで、その日を境に父に電話をしたり、酷暑の中でエアコンなし・扇風機なし・汚部屋で過ごす父の救出のために、行政の力を借りて右往左往し、ココアの編集をしておりました。命の尊厳や個人の意思が腎不全かつ熱中症による孤独死寸前の現状をQOL(クオリティ・オブ・ライフ)と認識させた父側の親族の闇にも迫る大展開? 手に汗を握る、親孝行が実現するかもしれません。ところが闇の中に「偽娘説」が含まれており、目下、証明書以外で「自分が娘であることをどのように証明できるのか」といった複雑な問題を、この夏の壮大な自由研究として対処しています。
9月号の巻頭を飾るのは秋亜綺羅。秋亜綺羅には他の誰とも横並びにならないし、なれない「世界の秋亜綺羅」になって欲しいと個人的に願っています。とはいえ、ココアに投稿している方々も、詩の現在進行形であるご自身の作品とご自分の在り方に向き合ってみてはどうでしょう。また「唯一無二」という言葉も多用すると「唯一無二」も擦り減るのか、わたしと一緒に考えてください。意味が擦り減るようであるならば、今、何をするべきなのでしょう。
小詩集には第2回秋吉久美子賞を受賞した森崎葵。詩人の在り方が既に多義的な旅人であるとは思いますが、世界ということに触れた森崎の筆致は新鮮で見逃せません。
招待エッセイを恵矢にお願いしました。シュタイナーについて学ぶために十代でドイツに留学し、現在、詩人かつ言語造形家として活躍中の恵矢です。念願かなってココアにお招きできました。しかも第二詩集、刊行の直前! 魂を揺さぶるエッセイ。
4コマ詩にいがらしみきおとトウソクジン、佐々木貴子。4コマ詩の投稿にてづかみさこ、再生、まほろばしじみ、虹乃ノラン、瀧音吉。狭き門の4コマ詩。てづかみさこの作品は、まるで海外に行って初めて言葉が通じた時の、あの感動にも近いです。
リレーエッセイは前号の宮せつ湖のご指名でむきむきあかちゃん。この企画はココアの投稿者間のリレー形式で前号の執筆者が次の執筆者とタイトルを決めるというのがルールです。兎にも角にも、むきむきあかちゃんの筆力は圧巻です。日本現代詩人会最年少会員でもあり、注目の詩人のエッセイです。
9月号も秋吉久美子、いがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、齋藤貢からも「絶賛」を選んでもらっています。傑作集には52篇(4コマ詩投稿を含む)、佳作集に79篇の詩が掲載(電子版のみ所収)。前号でも述べましたが、ココアの読者、投稿者の皆様、わたしたちが既に文学史の一部ですよ。
秋亜綺羅の「投稿詩からの想い」は毎号、欠かさず、読んでいただきたいです。生と死にかかわる秋亜綺羅の論理は弱肉強食を覆すことでしょう。生命倫理の研究者にもココア共和国をオススメしたいです。
毎月の投稿、期待しています。
(佐々木貴子)
<執筆者>
☆秋亜綺羅(あき・あきら)
詩人。1951年生。宮城県在住。
詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『十二歳の少年は十七歳に
なった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ!』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。
「ココア共和国」主宰。
☆佐々木貴子(ささき・たかこ)
詩人。1970年生。宮城県在住。
2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」詩部門大賞、第26回詩と思想新人賞、第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。
「ココア共和国」編集。
☆秋吉久美子(あきよし・くみこ)
俳優、歌手、詩人。1954年生。
『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。
☆いがらしみきお
漫画家。1955年生。宮城県在住。
『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』
『3歳児くん』『かむろば村へ』『Ⅰ』など多数。
日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。
☆森崎 葵(もりさき・あおい)
詩人。1989年生。愛知県在住。
第2回秋吉久美子賞受賞。
☆恵矢(けいや)
詩人。1971年生。東京都在住。
詩集に『DANCE AGAIN』(土曜美術社出版販売・2016)、
2025年8月第二詩集『ピープルライクユー』(思潮社)刊行予定。
女性専用スピーチとコミュニケーションのスクール「ヴォルテ」代表取締役として活躍中。
「ヴォルテ」ホームページ https://worte-c.co.jp/
☆むきむきあかちゃん
2006年生。滋賀県在住。
日本現代詩人会による2025年第9回HP現代詩投稿欄「新人」として選出される。
日本現代詩人会会員。
☆トウソクジン
1997年生。埼玉県在住。