更新日:6月25日

あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。
また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。
「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2024年12月31日に締め切られる「第5回いがらしみきお賞」「第5回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第10回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。
「月刊ココア共和国」 電子本の発売は各ネット書店より。275円(税込)。ココア・ショップでもお求めになれます(PDFダウンロード版)。
紙の本はココア・ショップまたはAmazonで770円(税込)にて販売しています。
4月号は3賞受賞特集号となり990円(税込)。
目次
●今月の1行
沙藤ちとせ
●招待詩
水月りの「コココアラ」
菅沼きゅうり「マジックアワー」
腹巻さしみ「末路」
森崎 葵「怪物」
●招待エッセイ
風巻けんず「少年からただの青年へ」
●詩
佐々木貴子「純粋病棟」
●2月号投稿詩人のみなさんへ
秋吉久美子
いがらしみきお
●投稿詩傑作集Ⅰ
麦原アリノス「私の名前に応答をくれ」
沙藤ちとせ「ジゼル」
安桜子「エッセンス」
夕空しづく「しりとり」
こやけまめ「へその舌」
高平 九「風吹ジュン」
三舟いと「お腹がすいた!」
メンデルソン三保「わたしは泣いた」
神浦恵里香「きれいなだけの夕焼け空」
蝸牛「友達」
雲野くじら「少女セピア」
木崎善夫「まだ見ぬ宇宙の友よ」
吉岡幸一「雪の居酒屋」
矢代レイ「死」
●4コマ詩
いがらしみきお 「なつかしいほんや」
腹巻さしみ「言葉」
伊藤テル 「ツツブタ」
トウソクジン 「現代4コマ」
佐々木貴子「メモリ」
●投稿詩傑作集Ⅱ
ナルガルリ子「雲の上は雨なし」
佐藤由芽「『ねえドラえもん』」
椿堂義明「タイムマシン」
近藤太一「かしこい犬」
鳥井 雪「ウエディング・ケーキ」
エキノコックス「いい」
熊野ミツオ「世界でいちばん寂しい嘘」
でおひでお「クーちゃんは……」
酒部 朔「脱出ポッド」
揺籃 歌「B2F ライブハウス」
あきふかむ「ぽっかり○」
くすりはみがき「喫緊」
きむさん「初雪の降る頃」
のぐちみね「きりん座」
●エッセイ
佐々木貴子「詩人の」
●投稿詩傑作集Ⅲ
笠原メイ「スウェーデン先輩」
スバル「旅立ち・スーパーノヴァ」
結木うい「ラブレターにならない」
きくちなお子「オニオンリングの詩」
竹津健太郎「紅」
南雲薙「救われなかったものに」
中嶋凉香「好きな人」
倉橋駒子「地球のサービスエリア」
ますこゆうり「自動ドア」
右利き「四則演算」
細野皇治「閉幕」
和本果子「ハロー、ハロー」
そとねこ「カカカカカ」
ふじよしけい「痛み」
澪沢 澪「元気です」
刹那「Resolved」
●投稿詩からの想い
秋亜綺羅
▼以下は電子版のみに収録 ❤
●投稿詩佳作集Ⅰ
弓 リツ「帰り道のサンタクロース」
田中傲岸「転身譚」
松本 徹「居酒屋」
田村全子「ムンクの町」
荒木章太郎「光と影」
西川真周「大きな犬がいるルート」
西藤そう「つもり、つもって、蟻地獄」
みたこ「明日の手紙」
渋谷縷々子「ひかりとパワーと」
涙川火水「待ち合わせは雷と繋ぐ場所へ」
貴田雄介「眠ること」
三波 並「渡り鳥」
小高功太「漢字の目と耳が助けてくれたんだよ」
角 朋美「少女の訓戒」
マサル「テレビを見てしまう」
入間しゅか「ピューパガンタウングーコンバウン!」
紺野 真「雪が積もって」
桧山 晃「うんち」
香山ほたる「大詩人も僕たちも」
λ乱雑「タイプライターと無限の兎」
淵田「おねがいごと」
西岡 泉「鰻2380」
原田非水「言葉」
北川 聖「黒い人」
あさとよしや「そそそ想像」
桐沢もい「それはどうしようもなく悲しい」
梓 凛斗「地球の歩き方」
みずぬまけいだい「紙飛行機」
岩佐 聡「夕刊は、かつて地球からかけ離れた水たまりでした。」
河口國江「あの惑星」
妻咲邦香「四角い部屋」
●エッセイ
佐々木貴子「編集中記」
●投稿詩佳作集Ⅱ
佐倉 潮「初雪」
石川雅春「☆たとえば」
こういち「一番星ブルース」
せんかい「時の栞」
蒼ノ下雷太郎「弱者コントロール」
芦田晋作「抽象画」
小牧「迷い客」
柊「セカイのカタチ」
冬崎霧雪「不審者王子と飛び込まない姫」
聖琳瑯「せせらぎ」
三品和乃子「展望」
ヒロミ「かりんじゃなくてらん」
多上暁人「贖罪」
与理原奈那「リングサイドから」
平松秀章「春夏秋冬カメレオン」
高山京子「ただ、それだけ」
朝江しおん「夢とのお付き合い」
冨士一文「渾然一体」
牛田悠貴「目標設定」
桜小路いをり「海のドレス」
へちゃ「トーキー」
琴森 戀「厨子甕」
中 遼介「初孫」
卯野彩音「ホットミルク」
水木なぎ「Saint Emilion」
池戸則子「最後の食費」
高松克成「気持ちの分量」
加藤万結子「福太郎」
虹乃ノラン「せなかのくぼみ」
檸檬「attitude」
はせがわゆうこ「わたし」
ナカヤシキアユミ「真夏闇」
●エッセイ
秋亜綺羅「実践できるか、棄てる勇気」
●投稿詩佳作集Ⅲ
青星百恵「おばあちゃん、燃ゆ」
かたね16「物語の中で」
レオン「去年より伸びる餅とほぐれる肩」
とこ「適性検査」
きむらしおり「質量」
嶋崎迅平「僕とマイケルジャクソンについて」
村上文緒「泣くな、ものさしくん」
山羊アキミチ「凛」
桑田 窓「精霊流し」
彩結ゆあ「歩いて、春へ」
加藤水玉「木偶の坊」
石原 誠「極夜」
風巻けんず「恋愛ごっこ」
萩ならて「背伸び」
栫伸太郎「越えない森のうた」
ひなた「殺人未遂」
佐々木紫乃「揺蕩」
沙霧「恵まれる子」
械冬弱虫「真祖紛い」
佐々木あさひ「水」
遠浅イサナ「空の記憶」
楸 眞弥「太陽の花嫁」
橘 玲也「秋幻」
奥野々芳雅「へなちょこ石」
佐々木敏光「『自由』に口無し」
英田はるか「カイホウゲンキンさん、大集合!」
中塚音寧「おいしい」
有森修嗣「埋まらない時間」
井上懸名「用法容量が守れたら」
酉果らどん「サバンナでひとりぼっち」
<編集後記>
お待たせしました、ココア共和国2月号の発行です。この編集後記は2024年元旦の能登半島地震から3週間が経とうとしている中で書いているのですが、被災された方々が今もたいへんな思いをされているのではないかと、心が痛みます。特に、この2月号に関して言えば、2023年12月中に投稿いただいた作品がメインであり、もっと言えば大晦日の深夜、まさに新年へと日付が変わる寸前の数秒前まで、「ココア共和国」に、と全国各地の皆さんからいただいた作品で編まれているわけです。いずれも、まさか地震が起きるとは思っていなかった頃の作品です。1月号さえ無事にお届けできていない地域の方々がいると思われる中で2月号を発行するということ。胸がつまる思いでいっぱいですが、一度は動くことを止めてしまった時計の針を、強引に進めたり、優しく巻き戻したりすることも、詩人のなせるわざかもしれません。強く生きていきましょう。
2月号の詩のゲストに水月りのをお招きしました。詩人、俳人として活躍する水月は宮城県在住。宮城に住んでいる人なら、誰でも知っている生活情報誌「りらく」に写真家とコラボレーションで毎月、詩を連載している詩人です。このたびココア共和国のために「コココアラ」という詩を寄稿いただきました。また詩だけでなく、今号は水月の俳句も堪能いただけます。水月りの、味わい深いですよ。
さらに詩のゲストは菅沼きゅうり、腹巻さしみ、森崎葵と続きます。前号の編集後記にも少し書いたことですが、昨年12月の「言と音が加速する午後」のイベントを終えてから、詩も楽譜のひとつとして読むことができるようになりました。詩を読んでいると、著者の呼吸を思い描くまでもなく引き込まれ、思わず引き摺られている自分に気がつく、ということが頻繁にあるわけですが、今号も、三者三様の世界が脳髄へと喰い込み、我を忘れてしまいます。機会があれば、著者たちに朗読してもらいたいですね。
招待エッセイを風巻けんずにお願いしました。風巻はエッセイの中で、自分の言葉とは何かを模索する姿勢そのものを読ませてくれます。もしかしたらエッセイの趣旨は簡潔明瞭なのかもしれませんが、ある意味、哲学的な問いが散りばめられたエッセイでもあるため、風巻の感性を詩とともに再確認。「正直」「自分」「言葉」「自分の言葉」、これだけでも詩の根幹、それ以上の問いだと思うのですが、いかがでしょうか。
4コマ詩は、いがらしみきお、腹巻さしみ、伊藤テル、佐々木貴子。そしてトウソクジン。今号は腹巻さしみが4コマ詩に登場です。4コマ詩をさらに奥深くしてくれました。トウソクジンは現代4コマで勢いづいている様子。4コマ詩、本格的に面白くなってきましたよ。4コマ詩の投稿を考えている方は、ココア共和国ホームページからお問い合わせください。4コマ詩人、募集中!
秋吉久美子といがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、齋藤貢からも「絶賛」を選んでいただきました。傑作集には45篇(4コマ詩投稿を含む)、そして佳作集(電子本のみ所収)に93篇の詩が掲載になりました。また2023年12月末日締切の投稿で第4回秋吉久美子賞、第4回いがらしみきお賞、第9回YS賞の選考が始まりました。公式発表は、3月15日です。今から楽しみですね。
秋亜綺羅「投稿詩からの想い」は増ページ。毎号、読み応えのある選評に刺激を受けている読者も多いことでしょう。わたしもそのひとりです。今回の秋亜綺羅は選評に加え、チャットGPTを駆使して言葉を検証。概念や理論のおおよそを踏まえつつ、詩人の方向性を示唆しました。これはココア共和国の方向性と言っても過言ではないでしょう。必読です。
そして2月号。スペースの関係上、少ししか作品を紹介できませんが、傑作集、佳作集ともに粒揃いです。ココア共和国らしさが見えてしまうかも。
毎月の投稿、期待しています。
(佐々木貴子)
<執筆者>
☆秋亜綺羅 (あき・あきら)
詩人。1951年生。宮城県在住。
詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)、『十二歳の少年は十七歳になった』(思潮社・2021)など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜美術社出版販売・2017)。第22回丸山豊記念現代詩賞。
「ココア共和国」主宰。
☆佐々木貴子 (ささき・たかこ)
詩人。1970年生。宮城県在住。
2012年「詩とファンタジー」大賞。第26回詩と思想詩人賞。第7回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』(土曜美術社出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。
「ココア共和国」編集。
☆秋吉久美子 (あきよし・くみこ)
俳優、歌手、詩人。1954年生。
『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。
☆いがらしみきお
漫画家。1955年生。宮城県在住。
『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。
日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。
☆水月りの(みづき・りの)
詩人、俳人。1959年生。宮城県在住。
詩集に『光のため息』(ふらんす堂・1995年)、『恋愛病』(ふらんす堂・1998年)など。句集『人魚姫のトゥシューズ』(ふらんす堂・2002年)にて加美俳句スウェーデン賞。
☆風巻けんず(かざまき・けんず)
2006年生。鹿児島県在住。
☆菅沼きゅうり(すがぬま・きゅうり)
詩人。2002年生。新潟県在住。
第7回YS賞受賞。
☆腹巻さしみ(はらまき・さしみ)
詩人。1983年生。神奈川県在住。
第3回いがらしみきお賞受賞
☆森崎 葵(もりさき・あおい)
詩人。1989年生。愛知県在住。
第2回秋吉久美子賞受賞。
☆伊藤テル(いとう・てる)
詩人。1987年生。新潟県在住。
第2回いがらしみきお賞受賞、第15回「1ページの絵本」入賞 。


