あきは詩書工房では、2020年４月１日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。
「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2025年12月31日に締め切られる「第６回いがらしみきお賞｣「第６回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第11回ＹＳ賞」の３つの賞に応募したことになります。
紙の本は770円(税込)。ココア・ショップまたはAmazonで販売しています。
４月号は３賞受賞特集号となり990円(税込)。
目次
●今月の１行
オズのうろこ
●詩
秋亜綺羅 「おめでとう」
●長篇詩
渋谷縷々子 「矛盾したひとりのわたし」
●１月号投稿詩人の皆さんへ
秋吉久美子
いがらしみきお
●傑作集Ⅰ
菅原 響 「スティルトン」
オズのうろこ 「血」
norik@_K 「喪失のパン屋」
才木イチロウ 「とりあえず」
柊 「キミのもとまで」
むきむきあかちゃん 「ビッグシスター・テープ」
雲野くじら 「花束座」
京のふじ 「王のランウェイ」
吉岡幸一 「メロンパンの生涯」
ツチヤタカユキ 「青曜日の魔法少女」
西岡 泉 「太陽を追いかけて」
山羊アキミチ 「全う」
あおなゆみ 「男の人」
葛原 兄 「手品」
桃口 優 「願い事」
●４コマ詩
いがらしみきお 「ふとん」
トウソクジン 「悲哀の声」
再生 「かき集める」
おきみしらが 「うちゅうじんと」
●傑作集Ⅱ
七寒六温 「過去の栄光」
浦城亮祐 「月に還る」
中原甘依 「遊星を殺した話」
朝紀革命 「人間的な……」
森本玲央 「家出」
ことり 「落ちる、落ち影」
百舌鳥高明 「異星人御一行様」
ぷ 「きっちゃてん南河内シリーズ【ふしぎメニュー】」
百野虎子 「先を読む」
笠原メイ 「子猫と敗北」
青星百恵 「馬、旅立つ」
麦原アリノス 「飛び立つ小鳥に唄う」
伊藤テル 「文字挿絵詩」
まだらめ三保 「海に行くしか」
松井 「耳を貸す」
オダタマコ 「待っていた」
藤沢 恵 「ラジオ体操 第四」
●４コマ詩
まほろばしじみ 「晴日記」
虹乃ノラン 「初恋カフェ」
佐々木貴子 「きらい」
●ココアタイムズ
●傑作集Ⅲ
森林みどり 「ミラー」
あさとよしや 「＃検閲されてない」
とりいじじ 「まんまる まるこ」
山雀ぐり 「嘘」
高平 九 「熊の事情」
前田雪彦 「ぼくが死んだ場所（マインクラフト詩集より）」
田村全子 「気晴らし」
みたこ 「あした」
チナ・スズキ 「ある日」
kyoko 「不思議」
菊池静緒 「椅子田日記抄四」
月森うさこ 「女王蜂」
三刀月ユキ 「出現範囲」
そとねこ 「浮遊霊」
一森キティ 「ぼくは石」
●投稿詩からの想い
秋亜綺羅
▼以下は電子版のみに収録 ❤
●佳作集Ⅰ
揺籃 歌 「天国に帰結して」
花凜 「えこひいき」
道森祐輔 「夜」
木崎善夫 「アラウンド・ザ・カントリー」
佐倉 潮 「三番目の夢」
ぴーち 「天使」
繭中舞百合 「再会」
木谷日向子 「着物のオフィーリア」
カンワル 「待っている」
梅太郎 「夜」
森パズル 「マイカー」
川嶋ゆーじ 「ナンバリングされる側の憂鬱を、あなたは知る由もない」
岡本 「立冬」
村井毘俊 「返信」
多佳子 「雨の電車」
藍原センシ 「業の街」
西村 健 「止まらない木は転がり続ける」
桑田 窓 「始発（薄明）」
ふじりんご 「意気地なしと文化の日」
檸檬 「あさがひらく」
腹巻さしみ 「肉屋」
ピオの父ちゃん 「沼」
街口ねず 「肉を食べ、草を刈る」
白瀬 隆 「昼休み」
木内のり 「からまる紅い足」
じょにー田中 「小躍りする博士を眺めていたもんで」
瀧 音吉 「職歴記載事項」
小笠原快 「14歳の球体の感触」
西尾省吾 「バニラの午後」
松本 徹 「自然の摂理（夢を諦める）」
風 守 「サラリーマン予想」
中村ミロ 「飛行線」
シン 「造化の歌」
●書評
佐々木貴子 「梁川梨里 詩集『蝶番』を読む⑥」
●佳作集Ⅱ
矢代レイ 「炎夏」
太田ユミ子 「塩むすび」
虹乃ノラン 「枯渇」
石川ぼうず 「僕の０円逃避行」
きむさん 「ねえ 泣いてくれる？」
わさびしょうゆ 「惑星Dニ対スル調査書」
青葉夜 「台風一過」
たばたま 「つぶあん派」
花野誉 「日々、私を疑う」
杉 孝子 「啄む」
雨桐ころも 「あいの詩」
赤星 「ヒミツ」
にくきゅう 「だいこうかい」
考えるかえる 「トンズラ」
みやざきえみ 「だいじななにか」
池戸則子 「ワンワンの日（十一月一日）」
横山信幸 「こんぺいとう」
七海独 「色褪せて、満たされて」
中公瑛人 「形ばかり」
富士一文 「うろ覚え」
岩下 瓜 「空の重さ」
きぬ紗綾 「おかげさまで」
苑蔭ゆらぎ 「境」
夕空しづく 「テクノロジカ」
帆立 「トッポジージョ」
ヨシダシヨ 「リモコン」
小高功太 「山田太郎」
yellow 「小枝」
ルビー・ミッドナイト 「豚の悲しみ」
スナシ 「君のキス」
野々霧子 「帽子の暗闇の中で」
●エッセイ
秋亜綺羅 「何もしないことがいちばん！」
●佳作集Ⅲ
てづかみさこ 「さいとうさん」
舞雫 「誤解」
うざとなおこ 「週の続き」
近藤太一 「先生の年賀状」
池田玲亜 「一寸先は闇」
ウロタンケツ・ケタ 「セーター」
菴木麻衣 「ふゆ」
夢沢那智 「豊穣の罪と罰」
古井修平 「奇跡」
トチチ 「無意味じゃない」
へちゃ 「詩のカクテル」
しん 「毎日」
須藤颯太 「本」
日下直哉 「手紙」
對馬知弥 「嘘つきのホントは正直者のウソ」
あきふかむ 「ノック」
角田和美 「幸せの涙」
春風雑草 「情熱を！」
宇井香夏 「ながれぼし飼育日記でした」
椿堂義明 「公園のベンチ」
髙橋奈々美 「アルバムを」
英田はるか 「ススメ！ 自由詩」
郡司 譲 「いつかの街」
加藤万結子 「コップ一杯の水」
きゃくの 「わたしはあなたのいちぶなの」
楽多遊生 「一人になりたい」
ピ希子 「告白」
蒼樹ほのお 「ずっと微笑んで」
藤井ひろ 「サンタさん 無理しないでね」
樫乃木馨芳 「コインランドリー」
●秋亜綺羅写真館
●編集後記
佐々木貴子
●募集
第７回秋吉久美子賞
第７回いがらしみきお賞
第12回ＹＳ賞
詩の投稿募集規程
年間購読のお願い
＜編集後記＞
皆様、お元気でいらっしゃいますか。ココア共和国２０２６年１月号の発行です。もちろん、２０２５年の師走の時点で２０２６年を想定しながら編集後記を書いているわけですが、無事、「新年明けましておめでとうございます」やら「メリークリスマス」を言えるのだろうかと、残り少なくなった２０２５年をまたもや書き急いで（造語？）いるのであります。思えば２０２５年は、音信不通症候群（造語）を発症しつつも、巡り巡った「生き別れの父」との再会など、悲喜交々を原動力に右往左往もしたのですが、巻き込まれなくてもよい筈のわたしの経歴詐称記載の問題の書籍が発行・販売されたダメージと著作物の無断全文引用等々に引き摺られ、無駄に消耗するなど、いろいろなことがありました。こうなると人間不信から詩壇不信へと発展しそうな勢いですが、それを忘れさせてくれるのが、ココア共和国に投稿してくれる方々の「これでもか」と云わんばかりの言葉の魔術師たちの新鮮な作品群なのでした。
そういうわけで月刊ココア共和国１月号は記念すべき70号として充実の仕上がりになっています。
まずは秋亜綺羅の詩作品。そのタイトルは「おめでとう」。タイトルは新春に相応しい感じが漂っています。本文はぜひ、ココアを手に取ってお読みくださいね。詩壇を牽引するどころではなく、秋亜綺羅の詩の躍動感は日本の詩の歴史を塗り変えていくこと間違いなし。読者の皆様も寺山修司の系譜として語られるべき「ココア共和国」の一員であるならば、言葉で世界を何度も裏返してみてはいかがでしょう。
続いて第５回秋吉久美子賞受賞者の渋谷縷々子の長篇詩「矛盾したひとりのわたし」。読者はページをめくる指先を紙で切ってしまわなくても、少しの傷口を思わずにはいられないことでしょう。渋谷が脳髄に痛みを流し込むくらいは簡単にできてしまうので血の出ない傷ができてしまうかもしれません。それにしても詩というジャンルを渋谷縷々子が選んでいることを想うと、将来が本当に楽しみですね。
１月号の《詩論・試論・私論》のエッセイは、ココアで活躍中の檸檬にお願いしました。詩との出会いから詩人としての基盤が自ずと育まれた過程が、繊細な筆致で描かれています。とても素敵なエッセイです。檸檬ファンの方は必読です。
４コマ詩にいがらしみきお、トウソクジン、佐々木貴子。４コマ詩の投稿は再生、おきみしらが、まほろばしじみ、虹乃ノラン。トウソクジンには２０２６年も引き続き４コマ詩を執筆してもうらうことにしました。それにしても４コマ詩も投稿詩と同様、狭き門です。それでも毎月、両方、投稿可能です。ココア共和国のＨＰからぜひ、どうぞ。
今回のリレーエッセイは編集上の都合により、お休みです。次号より継続予定ですのでお楽しみに。
１月号も秋吉久美子、いがらしみきおから投稿詩への短評と「いいね」、齋藤貢からも「絶賛」を選んでもらっています。傑作集には51篇（４コマ詩投稿を含む）、佳作集に94篇の詩が掲載になりました（電子版のみ所収）。第７回秋吉久美子賞、同じく第７回いがらしみきお賞、そして第12回ＹＳ賞の募集予告もできました。２０２６年の募集も楽しみですが、そろそろ受賞者の選考の時期です！ 緊張しますね。
秋亜綺羅の「投稿詩からの想い」は、冒頭、高市早苗首相による台湾有事に関する発言へと言及しています。ココア共和国は、ある意味「国」なので、秋亜綺羅の立ち位置からいうと首相レベルでの発言と捉えていいのかもしれないですね。もしそうであるならば、詩選だけでなく詩評も実は国家の存続とその方針、それらを凝縮したものといえるでしょう。
なお今号は「ココア共和国タイムズ」もありますよ。毎月の投稿、期待しています。
（佐々木貴子）
＜執筆者＞
☆秋亜綺羅（あき・あきら）
詩人。1951年生。宮城県在住。
詩集に『透明海岸から鳥の島まで』（思潮社・2012）、『十二歳の少年は十七歳に
なった』（思潮社・2021）など。エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ！』（土曜美術社出版販売・2017）。第22回丸山豊記念現代詩賞。
「ココア共和国」主宰。
☆佐々木貴子（ささき・たかこ）
詩人。1970年生。宮城県在住。
2012年やなせたかし責任編集「詩とファンタジー」詩部門大賞、第26回詩と思想新人賞、第７回びーぐるの新人。詩集『嘘の天ぷら』（土曜美術社出版販売・2018）にて第30回歴程新鋭賞。
「ココア共和国」編集。
☆秋吉久美子（あきよし・くみこ）
俳優、歌手、詩人。1954年生。
『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。詩集に『いない いない ばあ』『C・U next tuesday』など。
☆いがらしみきお
漫画家。1955年生。宮城県在住。
『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』
『３歳児くん』『かむろば村へ』『Ⅰ』など多数。
日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。
☆渋谷縷々子（しぶや・るるこ）
詩人。2005年生。東京都在住。
第５回秋吉久美子賞受賞。
☆檸檬（れもん）
詩人。1965年生。東京都在住。
詩集に『檸檬サイズの贈り物』（私家版・2025）がある。
☆トウソクジン
1997年生。埼玉県在住。
