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ココア共和国

 

​月刊ココア共和国 (電子本&紙の本) について

☆​6月号☆ (2020.05.27)

月刊ココア2020年6月号

 あきは詩書工房では、2020年4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」を創刊号として、フィックス版と紙の本で刊行しました。ゲストや編集同人による詩、エッセイなどを中心に、詩の理論と方法論を追究しています。

 また全国から詩の投稿を募集し、素敵な投稿作品をたくさん掲載していきます。

「ココア共和国」への投稿詩は同時に、2020年12月31日に締め切られ「第1回いがらしみきお賞」「第1回秋吉久美子賞」へ応募されたものとみなされます。20歳未満の方はそれらに加え「第6回YS賞」の3つの賞に応募したことになります。

 詩の投稿はこちらより。→

 「月刊ココア共和国」 電子本の発売は各ネット書店より。275円(税込)。

 紙の本はココア・ショップまたはAmazonで販売しています。770円(税込)。

目次


◆招待詩
中川龍太郎「昏い河」

◆招待短歌
鈴木そよか「こんな結末なら」

◆6月号投稿詩人のみなさんへ

秋吉久美子

いがらしみきお


◆投稿詩傑作集Ⅰ
片野翠子「消火栓をさがして」
髙橋優花「氷柱」
桐生莉緒 「飛翔」
水菜「悲嘆」
向坂くじら「星座」
山口波子「よい子曰く」
中マキノ「遷旋」
竹田三州穂「波動」
おゆみ「最後の晩餐」
小林「小康」

◆4コマ詩
いがらしみきお「絵を描く」
クマガイコウキ「お前は大物になる」
秋亜綺羅「二兎を追え」
佐々木貴子「呪文短歌」

◆投稿詩傑作集Ⅱ
もいずみめい「マントルの胃痛」
佐藤小雪「図書室の天使様」
白神つや「帰り路」
あち「蛇行」
長谷川航「りんり」
素潜り旬「羨むと一人」
梁川梨里「さかな」
髙橋梨咲「なんか違うんだよな」
藤田聡「取捨選択」
a.kiko「孤独Ⅱ すべてのみこむ」
橋本陽葉「大人になったから」


◆エッセイ
佐々木貴子「読みます、書きます」
秋亜綺羅「専門家をTVに出さないでよ」

◆投稿詩傑作集Ⅲ
一期崎月子「見栄っぱりの悲恋」
氏家 忍「信者」
うざとなおこ「ばれる」
市橋のん「空」
ミナト螢「夜空に鳴るもの」
tOiLeT「名前」
白石ワンダフル「ごりら」
あさとよしや「La Campanella」
再兎兎玄「信じる新人類」
吉岡幸一「紫陽花」
奥田隆太「たかはし」
ろばろば「つながる」
吉原幸宏「再会」

◆詩
佐々木貴子「ドールハウス」
秋亜綺羅「影──認知症まで」

 

編集前記

 創刊第3号となりました。早いものですね、と言いたいところですが、創刊以前から、ずうーっと新型コロナのニュースばかりですよね。

 さっさと元の風景に戻らないかな……と思うけれど、東日本大震災の津波の後のように、もう元に戻ることはないのかもしれないですね。社会の価値観や経済活動の形態を変える必要があるのでしょう。コロナが明けたら、新しい人間関係が、いま以上の信頼で築かれていることを願います。

 月刊「ココア共和国」には、ほんとうに多くの投稿をいただいています。詩集こそ出していないけれど、ブログやSNSで詩を書いている詩人たちの才能はすごいぞ、と思って始めた「ココア共和国」でしたが、想像以上でした。

だいぶページを増やしたつもりなのですが、ほんの一部しか掲載できません。みなさんに読んでほしい詩はまだまだあるのですが、ごめんなさい。

 今回はゲストとして、映画作家・監督で詩人でもある、中川龍太郎を迎えることができました。写真も詩の一部です。詩の道具は文字だけでない。より深く鮮烈なイメージを、読者に感じさせます。

 短歌の連載は、鈴木そよか。感涙しそうな採りたての歌ばかりです。寺山修司も俵万智も古いよ、とばかりの勢いは、詩の世界でも作りたいですよね。

 4コマ詩の連載はいがらしみきお、クマガイコウキ。佐々木貴子と秋亜綺羅も加わり、新しい形への実験の中です。面白くなってきた? かな?

 また今号も、投稿詩への短い感想を、秋吉久美子といがらしみきおよりもらっています。

さあ、みんなで詩を楽しもうよ、ということだけが目的の雑誌です。詩を読むって、こんなにも深くて、高い時空に行けるんだ、と。   

(秋亜綺羅)

編集後記

 新型コロナウイルス感染症の収束が未だはっきり見えないまま、6月を迎えることになりました。この数ヶ月、様々な行事の開催が見送られ、誰とであっても気軽に会うことにさえ躊躇するようになりました。食料品店やコンビニなどのレジ前に垂れ下がる透明シート。必要あっての物と分かってはいても、人と人の〈あいだ〉の分断を可視化する被膜。これが目の前にあるというだけで、安心感よりも不穏な状況に哀しみを覚えます。

 人と人との〈あいだ〉に投げ出されたものとして、詩も言葉という形で十分に可視化されています。それにしても、新緑がわたしたちの目に沁みるあの方法で、詩は目にも心にも脳にも浸透し、行き渡ります。これは言葉が被膜を持たず、常に剥き出しという特性のせいでしょうか。怖いくらい直撃です。

 全国のみなさんより今回も「ココア共和国」にたくさんの投稿をいただきました。紙の本も電子版も前号より多く掲載です。紙の本には投稿詩傑作集として34人の作品を掲載することになりました。電子版には紙の本掲載分34篇に加え、投稿詩佳作集として109人の作品を掲載。結果的に全投稿作品を載せるのは難しく、電子版には143篇が掲載です。さらに電子版でのみ、ゲストの中川龍太郎によるエッセイを読むことができます。うれしいですね! とてもとても豪華な6月号になりました。

 既に投稿詩のそれぞれに、秋吉久美子、いがらしみきお、齋藤貢、クマガイコウキから「いいね!」「絶賛」をいただいていますので、ここでは特に気になった作品を紹介します。片野翠子「消火栓をさがして」の言葉の躍動感。今回も魅了されました。路傍の消火栓とツツジを書ける人がいたことに、まず感動。ツツジという片仮名表記の連呼、うっとり、です。高橋優花「氷柱」の一連目から直線的に溢れ出す語感のよさに注目しました。2・4連目では行分け、再生への思考を詩で自在に展開しています。さらに桐生莉緒「飛翔」も極めて緻密な存在論と読みました。わたしにも伝染しそうです。水菜「悲嘆」に貫かれる不在への願望。最終連が際立っています。でも、からっぽになることは悲しいことなのだろうか。向坂くじら「星座」の完成度の高さと面白さに圧倒されました。各々の関係性を物語として紡ぎだすこと。わたしたち、さみしい刺繍だったのか。山口波子「よい子曰く」は見えない糸を手繰る面白さがありました。もいずみめい「マントルの胃痛」は自他関係の根源的な問いを果敢にも作品化。さらに秀逸、おススメの作品として白神つや「帰り路」、白石ワンダフル「ごりら」、中マキノ「遷旋」、竹田三洲穂「波動」、橋本陽葉「大人になったから」、うざとなおこ「ばれる」、羽衣なつの「かげ」、おゆみ「最後の晩餐」、tOiLeT「名前」、吉岡幸一「紫陽花」、ろばろば「つながる」、ゐしもりみづゑ「ひび」、青海玻瑠鯉「深海の果てまで」、森本りん「ひとりぼっちのドラマー、シンバルを打つ」、104hero「森のポスト」など多数、です。ぜひ、読んでみてください。

 実は掲載投稿詩143篇中、ティーンエージャーの作品が15篇あります。分かる人にだけ分かる印をコッソリつけておきました。探してみてくださいね。きらめきの濃度、柔軟な思考、言葉の速度と軽さ。思わず、ひれ伏したくなる魅力でいっぱいの詩です。

 なお蛇足ですが、投稿作品を読ませていただいている日々の喜びについては、ココア共和国編集室を代表し、エッセイ「嘘八百屋」に簡単にまとめました。長い間、書くことに執着していたわたしが「読むこと」に目覚めた経緯です。自ずとページをめくる手が止まっていたこと、たった一行に目が釘付けになっていたこと。これに気がつくことこそ、書き手/読み手を問わず、ほんとうの詩生活の「はじまり」かもしれません。

(佐々木貴子)

以下は電子版のみに収録

◆投稿詩佳作集Ⅰ

三波 並「はじまりの朝」
羽衣なつの「かげ」
ゐしもりみづゑ「ひび」
千田基嗣「月の窓」
檻ひずめ「それだけ」
滝本政博「海へ行く」
田中里奈「レインボーロリキートの一日」
入谷「暮れている、」
中田野絵美「Incorrect」
えばらしょうこ「春を待つ」
松本末広「月火」
amanaki「嚥下症」
サトウアツコ「おやすみなさい」
青海玻瑠鯉「深海の果てまで」
岡本彩花「日常」
矢城「rain」
西原真奈美「切っ先」
曽野又きのう「月明かり」
桑田 窓「あこがれ」
木崎善夫「わたしはあなたの海になる」
東ノ緑夢「malice」
前原徹也「水性の境界線」
テル「コミカルなウンコがいい」
森本りん「ひとりぼっちのドラマー、シンバルを打つ」
かとうみき「若葉の頃」
増田陽穂「卯の花腐し」
遠藤健人「断ち切るための」
林やは「twitterの詩」
木村梓紗「洗濯」
小高功太「愚かな生き物」
田中傲岸「たわいない日」
土井七月「夕ぐれ」
梅木紗彩「なりたいもの」
田村全子「カヅ子というカヅ子な女」
佐藤yuupopic「胸に灯る」 
川島新士「ヒーロー」
夜空 狐「ひとりごと」
イリオモテイリオ「ゴミだしの日」
sion「幸福の所在」
中川達矢「あさがおのたね」
pieco「手紙」
柿原妙子「eの勉強」
渡辺八畳「あまりに情熱的で静かだから」
ヱ昊 稀「余白の残弾」
小野みふ「眼差し」
黒崎晴臣「光の罪を」
浦野恵多「十字路」
幻ノ月音「恋」
104hero「森のポスト」
松本侑子「とりとくじら」

◆招待エッセイ
中川龍太郎「ささやかなものこそ」

 

◆投稿詩佳作集Ⅱ
尾上純玲「成長」
木下美樹枝「ちっぽけだけど」
真土もく「眠る」
あさゆう「ふりふり」
近藤洋一「アンチポエム」
上下「漂流の日」
新里輪「どうぶつたちの音楽会」
三上てんこ「なつ」
ふじのきのみ「羽根の歌」
萩逕「〇の中」
ころちゃん「春」
田村きみたか「玉子」
髙橋杜子美「桜が咲いたので」
霧「大切」
守屋 澪「海からの声」
朝光紫穂「夜空の糸電話」
末国正志「小糠雨」
野村嶺花「最初の言葉」
ヒポポンタス「団地」
Rosy「ベストパートナーと…」
蒼樹ほのお「現実ってなんだ?」
楠 青子「夢」
雨後晴太郎「ボンベ」
若木由紀夫「人よ、光よ」
森田 直「お化粧」
吉田聖地「夏草」
近藤己順「恵まれたから」
市井蒸発「電子レンジ調理」
りおたまご「ひとりじゃないよ。」
谷 風作「煙」
闇霧火「ピアス」
さくら「生きるとは」」
佐藤陽平「ね」
伊丹 真「明日の空はきっと 青」
田村そだつ「自分色」
永瀬 鞠「うつくしいもの」
もちこ「おじいちゃんの腕」
寺地麻紀子「八十八夜」
中原賢治「さよならする道」
結咲りと「こころの岸辺」
氷河吹雪「危険察知」
齊藤 進「夜」
池戸則子「春の訪れ」
寺林隆一「りんご」
まなほ「じゅりあん」
沼田卓也「Teaching」
才木イチロウ「生き切るのだ」
海星亜歩「はしるな」
竹之内稔「当たり前のこと」
たかんボ「春の花」
落合三恵「この詩」
マドカキヨノリ「Make a Wish」
中島有城「鼓動」
戸田史人「奇跡」
可織てん。「Time」
麻生千尋「そばに」
つき「友」
菅 弥生「目玉焼きのうた」
ごとうつぐみ「白色としあわせ」

執筆者

☆秋亜綺羅(あき・あきら)
詩人。1951年生。宮城県在住。
詩集に『透明海岸から鳥の島まで』(思潮社・2012)、
『ひよこの空想力飛行ゲーム』(思潮社・2014)など。
エッセイ集に『言葉で世界を裏返せ! 』(土曜美術社出版販売・2017)。
丸山豊記念現代詩賞。

☆秋吉久美子(あきよし・くみこ)
俳優、歌手、詩人。1954年生。
『十六歳の戦争』『赤ちょうちん』『妹』など主演多数。
アジア映画祭主演女優賞、日本アカデミー賞優秀女優賞、ブルーリボン賞主演女優賞、モナコ国際映画祭主演女優賞など受賞多数。
詩集に『いない いない ばあ』など。

☆いがらしみきお
漫画家。1955年生。宮城県在住。
『ネ暗トピア』『ぼのぼの』『BUGがでる』
『3歳児くん』『かむろば村へ』『I』など多数。
日本漫画家協会賞優秀賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。

☆中川龍太郎(なかがわ・りゅうたろう)
映画監督、脚本家、詩人、エッセイスト。1990年生。
映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』『静かな雨』『四月の永い夢』など監督・脚本。国際映画批評家連盟賞など受賞多数。

2009年「詩とファンタジー」優秀賞・最年少受賞。

☆クマガイコウキ
映像作家・劇作家。1961年生。宮城県在住。
映画『ぼのぼの/クモモの木のこと』監督・脚本。
児童劇団AZ9 ジュニアアクターズ座付作家。
長編紙芝居『蛇蝎姫と慚愧丸』脚本、演劇『タルタロスの足湯』脚本など多数。

☆佐々木貴子(ささき・たかこ)
詩人。1970年生。宮城県在住。
2012年「詩とファンタジー」大賞。第26回詩と思想詩人賞。
第7回びーぐるの新人。
詩集『嘘の天ぷら』(土曜日術者出版販売・2018)にて第30回歴程新鋭賞。「ココア共和国」編集。

☆鈴木そよか(すずき・そよか)
歌人。2001年生。宮城県在住。大学1年。
第16回宮城県高等学校文芸作品コンクール短歌部門最優秀賞。
第11回角川全国短歌大賞特選 佐々木幸綱選。

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